保育園の経営と運営をして分かったこと

「人」を大切にする運営と持続可能な職場環境の構築

保育園経営・運営において、何よりも「人」、特に働く職員を大切にすることが最も重要だと痛感しました。保育は、子供たちの無限の可能性を育むと同時に、責任の重さを伴う仕事であり、今、職員が疲弊しやすい環境にあります。特に女性が多いこの業界では、結婚、出産、育児といったライフステージの変化に対応できる柔軟な働き方を提供することが不可欠です。有給休暇の取得環境を整備し、職員が心身の健康を保ち「余裕」を持てる環境づくりに努めました。これは仕事と家庭を切り離しがちな男性経営者層との大きな認識のギャップであり、女性経営者としての強みであったと考えています。

経営と保育のバランス:現場経験者だからこそ見えた課題

経営面では、国の給付金や認可基準(例えば、現在0歳児3人に保育士1人という最低基準)と、現場で提供すべき質の高い保育との「バランス」を取ることが最大の課題でした。最低限の基準では現実的な保育の質を維持するのが難しく、規定以上の保育士配置が必要となります。また、保育園が選ばれるための「差別化」として、外部講師を招き、子供の脳機能を引き出す独自の教育プログラムを導入する社会的ニーズが高まっていることも経験しました。私自身が現場経験(幼稚園教諭や発達教育)と経営者としての役割を兼任していたことで、運営(現場のニーズ)と経営(組織の存続)の両面から俯瞰的に捉え、適切なバランスを取ることが可能になったのです。

事業譲渡から学ぶ出口戦略:最も重視すべきは「継続」と「タイミング」

事業譲渡の決断は、待機児童ゼロ化の進行やコロナ禍による環境変化、そして家族の介護・看護経験など、いくつかの要因が重なった「タイミング」が重要でした。譲渡の検討では、譲渡価格の多寡よりも、子供たちや職員の環境が「次の日からも何も変わらない毎日になること」を最優先の条件としました。結果として、スピード感があり、保育内容の変更リスクが低い大きなホールディングスへの譲渡を選択しました。また、後に適切な金融機関などの情報収集の重要性を痛感しましたが、早期に身を軽くする決断をしたことで、その後業界に訪れる厳しい変化を回避し、サポート側に回るという新しい役割に進むことができたと感じています。

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